以前はほとんどコーヒーを飲まなかった。
朝は白湯、昼はお茶。カフェインにあまり興味がなかったんです。
ところで、きっかけはベトナム旅行。
現地で何気なく飲んだ一杯のコーヒーが、驚くほど美味しかった。
香ばしいのに、苦味が丸くて、後味が甘い。
あの瞬間、「コーヒーって、こんな味がするんだ」と初めて思いました。
それから、帰国して少しずつ飲むようになって、
今ではほぼ毎日。
気づけば、朝に豆を挽く音が、生活の一部になっています。
いろんな豆を試している中で、最近見つけたのがひとつの通販サイト。
イタリアのソムリエ資格を持つ焙煎士が、世界中から豆を選んで自家焙煎しているそうです。
実店舗はなく、オンライン限定。
でも、逆にそれがいいなと思いました。焙煎したての豆がそのまま届く感じ。
ページを眺めているだけでも、豆の産地や焙煎の違いが少しずつわかってきて、
“好み”というものが自分の中で形になっていくのが面白い。
スーパーで買う豆とは、明らかに香りが違いました。
袋を開けた瞬間の空気がふっと変わる。
粉にした瞬間の香り立ちで、今日はもういい一日になるような気がする。
焙煎士の言葉を読んでいて印象に残ったのが、
「焙煎は、香りと余韻をデザインすること」という一文。
その言葉の通り、同じ豆でも焙煎時間や温度でまったく表情が変わるそうです。
こういう世界、奥が深い。
昔は「こだわり」って少し面倒なものに感じていたけれど、
最近は、その人なりの“正解”を探す過程こそが楽しいのかもしれないと思います。
私もまだ全然詳しくはないけれど、
お湯の温度を少し変えたり、豆の量を測ってみたり。
そんな小さな実験をするたびに、味のニュアンスが違ってくる。
気づけば、朝のコーヒーが「気分のバロメーター」になっていました。
少し苦めに淹れたい日は、だいたい考えごとが多い日。
まろやかに感じる日は、心が穏やかな日。
コーヒーを通して、自分の状態が見えるのが不思議です。
これもまた、ベトナムのあの一杯がくれた余韻なのかもしれません


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